日本色彩キャリア育成協会

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2025年06月17日

ぬりWA®活用事例  活動報告

ぬりWA高校1年生キャリア教育〈色で自己理解と相互理解を深める〉育英西高校

色で自己理解と相互理解を深める「色でわたしと仲間を知ろう」

6月16日(月)代表の林由恵による、育英西高校1年生の色彩キャリア教育の授業をさせていただきました。

テーマは「色でわたしと仲間を知ろう」

授業のねらい

①自己理解 

自分の気持ちを色で表現し、自分自身に気づく
②他者理解

色と対話を通して、お互いのことを知る
多様性を認め合い、安心できる仲間との関係性を築く
③コミュニケーション力
自分の気持ちや考えを伝える力・聴く力・受容とポジティブフィードバック
④未来を描く
前向きな未来を描いて、学校生活を仲間と共に成長するイメージを持つ

 

授業では、ぬりWAで今の気持ちとどんな高校生生活を送りたいかをぬり絵に色で自由に表現してもらいます。

その感情を言語化し、他者と共有し対話することで、改めて自分のことを理解し、思考を整理していきます。

 

自分の気持ちを言葉にします。
色にも感情にも正しい間違いはありません。
お話してくれたことじたいが、すばらしい。

みなさんが描いたぬりWAと気持ち(一部)

〈左:今の気持ち 右:なりたい私〉
いろんな色を使って感情を表現しています。

〈今の気持ち〉ではこんな言葉がありました。

  • 新しいことばかりで毎日ワクワクしているけど、テストや課題などできるかなと不安や焦りもある。
  • 心の中にいろんな感情がある。喜びの中にも様々な喜びの感情がある。
  • 気持ちの割合ではこれからの期待の方が多いけれど、初めてのことで何が起こるかわからない不安もある。
  • 色塗りが楽しい!
  • いつもの授業と感じが違って、色鉛筆を使えるのも楽しい。
  • テストや課題で眠い。

〈なりたい私、どんな高校生活にしたいか〉

  • 高校生活は、たった一度きりだから全力で楽しみたい。
  • ワクワク、ドキドキ、悲しみとかいろんな感情になるだろうけれど、全ての気持ちが大切。
  • 虹色のように、いろんな感情を出して、自分のことをもっと知っていきたい。
  • 今はまだ将来のやりたいことが決まっていないけれど、できるだけ多くの事に興味をもっていろんなことに挑戦したい。
  • 色々なことがあるけど、あきらめず最後まで自分なりにがんばっていきたい。
  • 自分にたくさん自信がついて、幸せな気持ちになりたい。
  • 乗り越えて高校生活楽しかったよ!と言える思い出をたくさん作りたい。

※上記の写真とコメントは一致していません。

色の捉え方も様々です。

「黄色」を塗った人の感情

  • 友達と話すことが楽しい
  • 暖かな気持ち
  • 楽しく明るい気持ち
  • 友達と気が合うから楽しい
  • 前向きな気持ち
  • 希望をもって高校生活を明るく過ごしているイメージ
  • 自分の強みを活かして輝いているイメージ
  • 楽しく勉強や部活をがんばる気持ち

「青」を塗った人の感情

  • テストにドキドキしている
  • 眠たい
  • 勉強に対しての焦り
  • 勉強のイメージ
  • 不安からの悲しみ
  • 冷静な気持ち
  • さわやか
  • モヤモヤ

今回は、「黄色」はポジティブなイメージ、「青」はネガティブなイメージが多かったようです。
ただし、同じポジティブでも何に対して、どんなふうにポジティブなのかはみなさん違います。

ぬりWAでは、色の意味を解説したり感情を決めつけたり、分析したりはしません。
それぞれの人にそれぞれの人の感情が表れています。
自由に表現して、答えは自分の中にある。
自分と違う人がいて当たり前、ただそれをそのままフラットに受け入れることを通して自己理解と相互理解を深めます。

生徒さんたちのふりかえりでの感想と受講の効果(一部)

①この授業を受けて、特に印象に残ったことは何でしたか?②それはなぜですか?

①みんな思っていることや考えていることが違うということ。
②みんな同じだと思っていたが、それぞれ考えていることがあって、似ていることを思っていても、色や形が違っていておもしろかった。

①色で表すことで一人ひとりの心情がわかること。
②1つのテーマ(これからの高校生活)で班のみんなが、全員違う色と構造をしていて、十人十色ってこういうことなんだと気つけたから。

①色だけで人とコミュニケーションが取れること
②実際に自分たちもぬりWAをして、グループで良いコミュニケーションができ、友達の感情を知ることができたからです。

①色で自分の気持ちを理解すること。
②自分の気持ちを理解できると、自分自身を大事にできるから。

①同じような色を使っていても違う気持ちを表現していると知り驚きました。
②例えばオレンジで、私は「笑顔」を表現していたけれど友達は「夕焼け」を表現していました。

〈全体を通してこの授業(色を使った探究学習)を受けた感想や気づき、知りたいことは?〉

  • 色を使って、心を表す場面なんて今までなかったので、そんなスラスラと出てくるものかな?と思っていましたが、やってみると思いのままに書き出すことができるすごいなと驚いた。
  • この授業で気持ちを表現することで、自分を深く知ったり、気持ちを整理することができてスッキリすることができました。
  • その人が外見では見えてこなかった気持ちまで知ることができて楽しくておもしろかった。
    もっとたくさんの人の気持ちを知りたいと思った。なぜなら、知ることで自分の考え方の幅も広がると思ったからです。
  • 100人いれば100通り、本当にその通りだと思った。
  • 私は、気持ちを上手にコントロールできなくて困っていたけれど、ぬりWAで整理がついたので次の道を見つけたいと思ったから。
  • 色でこんなことができるんだよと、親にも話して教えてあげようと思いました。
  • 講義を聞いて、どんな人でも可能性を広げられると考えられて、前向きな気持ちになれた。
  • 思った以上に今の気持ちと見たいの自分の目標が違っていて、未来を目指して頑張ろうと思えた。
  • 自分の気持ちを知る機会になったし、これからの目標をつくる機会になった。
  • 私も色で日記みたいなものをしたいと思った。買うことはできますか?
  • 毎日色を塗って、その日の気持ちを書いてみたらおもしろいと思いました。
  • 私は自分の中を表現するのが得意ではないので、日記を書いているのですが、ぬりWAのようなハートも書いてみたいと思った。

 

〈編集後記〉

育英西高校では、主体的に課題を発⾒し、協働して問題解決に向かう⼒を養う時間として、中学1年⽣から⾼校3年⽣まで、毎週「シナジータイム」という時間が設定されています。

その1年生のシナジータイムの1回を担当させていただくことになりました。

中高生のキャリア教育については、こちらの提供プログラムもありますが、導入時期や授業のゴールは、担当の先生とも相談しながらカスタマイズも行っています。

そこで今回は、事前にお打ち合わせの時間をしっかりと取り、1年生の現状と目指すゴールを共有しました。

「入学して約2か月が過ぎ、高校生活にも一通り慣れてきて、友人関係も色々と変化が出てくる時期です。

自分の理想としていた学校生活を送れている子もいれば、そうでない生徒もいるように思います。

今の自分の現状を見つめ理解し、これからどのような高校生活を送っていきたいかを考える時間にし、また、生徒同士でコミュニケーションを取りながら、他の生徒のことも知れるような時間にしたい」

というご担当の先生のご要望のもとにカスタマイズし実施させて頂きました。

今回の授業のねらい「自己理解・他者理解(多様性の理解)・コミュニケーション・未来を描く」に対して、ぬりWAを行うことで体感して楽しく学んでもらえたのではと感じています。
この視点を忘れずに、それぞれの高校生活を自分の感情を感じながら未来へ向けて進まれることを本当に願っています。

 

〈講義・講演のお問い合わせについて〉

中学生の探究学習(総合的な学習の時間)、キャリア教育の講義について、こちらの提供プログラムもありますが、導入時期や時間、目的に合わせてご相談しながらカスタマイズも行っています。

地域や学校、団体様での林由恵の講演についてもお気軽にお問い合わせください。

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